飲みたいワインを上手に注文する方法、裏技、公開!

レストランでは、料理を頼んだ後にワインを注文するのが基本。レストランはあくまで料理が主だから。とはいえ、飲みたいワインがあれば、それに合わせて料理を選ぶのもいいし、ワインバーやワインビストロなどではワイン主体に選ぶのが楽しいこともある。ここでは、ソムリエもしくは飲み物担当のスタッフがいるレストランでの基本的なワインの注文の仕方を説明しよう。ポイントやコツを押さえると、「飲みたいワイン」「お手ごろで好みのワイン」を上手に注文できるようになる。

まずは、料理に合うワインのルールを、ざっくり頭に入れておこう

基本は「軽い料理には軽いワイン、重い料理には重いワイン」だ。「魚に白、肉に赤」ではない。同じ魚料理でも、サラダやカルパッチョのような軽めの料理なら軽い白だが、クリームソースやチーズ、バターを使ったようなもの、パイ包みなどコクとボリュームのある料理なら濃厚な白となる。また、赤身の魚を使った料理やフォワグラと合わせたものなら赤ワインのほうがいいことも。鶏肉や豚肉は「肉」だけど、白ワインが合うことも多い。

このあたり難しければ、簡単組み合わせルールとして、料理の色とワインの色を合わせる方法を覚えておくといい。緑、白、黄色系なら白ワインを。赤、茶色系なら赤ワインを。ピンク色ならロゼ…という具合。ざっくりとこのルールがわかっていれば、「メインはオックステールの赤ワイン煮込みだから、ちょっと濃い目の赤ワインがいいかなぁ」「豚肉のマスタード焼きだからしっかりめの白もいい?」などとソムリエに伝えれば、ソムリエも「ああ、このお客さんは基本的なことはご存知なのだ」と思って対応してくれるし、「自分で選んだ」満足感も味わえる。

続いて、どのくらい飲めるのかを考える・伝える

フレンチやイタリアンの基本は前菜1品と主菜1品。それぞれに合わせるとなると2種類は楽しめることになる。ただ、お酒に弱い人も強い人もいる。どのくらい飲めるのかを考え、注文する量を伝えることが重要だ。たとえば「前菜と主菜に合ったワインを、グラス1杯づつ試してみたい」のか「ほとんど飲めないのでグラス1杯で通したい」のか「2人でハーフボトル1本くらいはいける」のか「2人で、最初は白をグラス1杯、そのあと赤ワインをフルボトル1杯頼む」のか「白も赤も1本づつ飲める」のか「4人で1本程度」なのか「6人で3本くらい」なのかを考え、伝えるのだ。また、「赤が好きなのでタイプの違う赤をボトル1本づつ2本」もアリだし、「白の飲み比べをしたいので白ボトル2本!」などももちろん可能。量によって注文の仕方が変ってくるところを、ぜひ、押さえてほしい。ちなみに、量が飲めるからといってエライわけではないからね(支払いが多くなるのは間違いない)。

問題はお値段、さて、どう伝える? どう選ぶ?

一番気になるのはお値段。どのくらいの価格帯のワインを選ぶのか、だ。安いとバカにされそうだし、高いと懐にキツイ。カップルなら彼女にそのあたり知られたくないし、トンチンカンな価格帯を選びたくない。わかります、その気持ち。教科書的には、注文したコース料理の金額と同等くらいが妥当といわれる。コースが5,000円ならフルボトル4,000~5,000円程度、コースが10,000円ならフルボトル8,000円~10,000円程度というイメージだろうか。アラカルトだとしても全体の料理金額と同等が目安になる。ただ、あくまで目安。いいワインを飲みたいなら、いくらでもその上を選べばいいし(お店は大喜び!)、そこまでワインにお金をかけたくないというときは、それ以下のランクでも十分。「もう少々お手軽なもので」と臆せず伝えれば大丈夫。もしくは「もう少し軽快なタイプで」「もっと飲みやすいタイプで」と言ってもいい。これ、テイスティング表現の暗号みたいなもので「軽い=お手頃金額」「飲みやすい=金額も低め」という意味でもある。本当の話。ワインは濃厚で個性が強いほど高いものなのだ。はい、本当のお話。

最後に、あわてて決めないこと

せっかく贅沢な時間を過ごせるレストラン。料理もワインもじっくり時間をかけて注文するのが通というもの。注文が難しいから、恥ずかしいからといって焦ることはない。さっさと決めてしまうことのほうがもったいないということを知っておこう。

逆に、ソムリエにとってやっかいな注文とは?

たとえワインリストが読めなくても、この4つのポイントを押さえて、ソムリエやスタッフと相談しながら注文すれば、決して馬鹿にされることなく、むしろ「無理なく上手に注文する人」という印象で対応してもらえるはず。
ソムリエ側、お店側から、厄介な注文だと思われるのが実は以下のふたつ。
「オイシイのちょうだい」
「なんでもいいから、お任せ」
そのお客様にとってなにがオイシイのか、どんな味がお好みなのか、情報がないとわからない。お任せされても、星の数ほどあるワイン、選びようがないのだ。ワインの香りや味を言葉にするのは難しいけれど、せめて「メインディッシュの鴨肉に合うものでおすすめを」とか「渋みが少なくて飲みやすいもの」とか「前に飲んだのが○○○○だったので、それと似たものを」などとわかる限りの情報を伝えることが、自分好みの、価格も無理のない、納得できるワイン注文の第一条件なのだ。

ソムリエの“活用”の仕方を、次回の「おいしいマナー」にて公開しよう。

最後に、レストランのワインリストの構成を書き出しておく。ご参考にどうぞ。

<ワインリストの構成>
ワイン名・・・・・・・・産地(地方)(地区)(村)・・・・・・・・・・・・・ヴィンテージ(収穫年)・・・・・・・・価格
<ボルドー> 
シャトー・サンマルク・・・・・・・ボルドー地区・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2005年・・・・・・・・5,000円
シャトー・ラグランジュ・・・・・・・メドック地区・・サンジュリアン村・・・・・・1990年・・・・・・・30,000円
シャトー・オーブリオン・・・・・・グラーヴ地区・・ペサックレオニャン村・・1992年・・・・・・・58,000円
シャトー・マルゴー・・・・・・・・・・メドック地区・・マルゴー村・・・・・・・・・・1989年・・・・・・100,000円 

ワイン名・・・・・・産地(地方)(地区)(村)(畑)・・・造り手・・・ヴィンテージ(収穫年)・・・・・・・・価格
<ブルゴーニュ>
メルキュレー・・・・・・シャロネーズ地区・・・メルキュレー村・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フェヴレ社・・・2008年・・4,000円
ポマール・・・・・・コート・ド・ボーヌ地区・・・ポマール村・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴヌー社・・・2002年・・8,000円
シャンベルタン・コート・ド・ニュイ地区・・・シャンベルタン村・・・・・・・・特級畑・・・・プリウレ社・・・1990年・・30,000円 
ミュジニ・・・・・・コート・ド・ニュイ地区・・・シャンボール・ミュジニ村・・・特級畑・・・ヴォギュエ社・・1986年・・50,000円

                                                                      ↓     ↓
                                                                                  若い順   安い順

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2011年5月4日
友田晶子
ソムリエ/
トータル飲料コンサルタント
(ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルなどお酒と食に関する専門家)

米どころ酒どころ福井県に生まれる。
現在、業界20年以上のキャリアと女性らしい感性を活かし、酒と食に関する一般向けセミナー、イベントの企画・開催、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティングを行っている。
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