え、この銘柄が? 中国の日本酒事情・北京編

 

 

日本酒セミナー開催と著書『世界に誇る国酒~日本酒~』の「グルマン世界料理本大賞」授賞式を目的に北京に行ってきた。
今回の大きなテーマは「日本酒」@中国だ(←大げさ~)。
日本酒の輸出が100億円を超えて、世界遺産和食とともにますます海外で日本酒が注目される昨今。隣国中国では、日本酒、どんなふうに捉えられているんだろう。実際に見て感じた「日本酒事情」をゆる~く書き残しておこう。

 

和食店人気!

今回日本酒セミナーを開催させていただいたのは北京市内にある和食店「sake MANZO」さん。

100席収容で30名入りの個室も完備したモダンで清潔感溢れる和食&酒ダイニング。オーナーは、日本酒きき酒師で日本酒販売経験の長い山本敬さん。メーカー勤務後この会社を立ち上げ、飲食店のほか日本酒輸入も行う株式会社和醸の代表でもある。

連日満席のこの店で、30名様限定の日本酒基礎講座を開催。

セミナーの様子はこちら

参加した中国人の方々は、日本酒をワイン的な感覚でとらえている様子だが、なかには、ワインよりも親しみやすいという人もいて、これはうれしい限り。
セミナー後の夜の営業時も、みんな日本酒を注文している。いいねぇ。うれしいね。
また、北京日本調理師会会長・小林金二氏が運営する和食店「藏善」さんは比較的カジュアルに楽しめる店で日本酒の品揃えも多い。日本酒の会(純米大吟醸の会)を定期的に開いており、日本酒ファンも集う。
また、寿司「緑川」は高級寿司店。日本酒の保管管理もよく、獺祭や梵など高級所が飲める。寿司も(私の好みからすると、ちょっとご飯が柔らかめだったけど)かなりの本格派。お昼からお金持ちさん中国人がお寿司と日本酒を楽しんでいる。この光景もうれしい。

 

一般市民に日本酒はまだまだ・・・

MANZOをはじめ和食店では日本でも人気の高級日本酒が揃うが、市中のスーパーマーケットは全く違う形相だ。
当然・・・かもしれないけど、中国人が利用する一般のスーパーに日本酒はほとんど皆無。日本酒はまだまだ浸透していない。
日本資本のスーパー、イトーヨーカドーにはアルコールコーナーがあり、ワイン(エノテカが入っている)、中国酒、とくに白酒(焼酎)がずらり並ぶ。日本酒もここはある程度並んでいる。とはいえ、少ない。少ないねぇ。
とくに日本から直輸入物は少なく、いわゆる大手メーカーが中国で造る銘柄が多い。
ちなみに、現在、中国は東北の日本酒は輸入禁止。そのうち山形の酒は認められているとか。確かにヨーカドーには山形の銘柄がある。しかし、新潟がだめなのはなぜだろう。不思議。
日本の大手メーカーが造る日本酒は、飲んでないけど、きっとそれなりの味わいを保っているだろう。
問題は、中国メーカーが造る中国産の日本酒(ややこしいな)。江蘇省で造られているものを飲んでみた。
味は? う~む。昔、コンパの二次会で一気飲みさせられた、あの時の日本酒みたいであった。
ちなみに写真のボトルがそれ。「特撰 本醸造 葵天下」。名前はしっかり商標を取っている。原材料は、水、精白米、米曲(麹のこと)、食用酒精(醸造アルコールのこと)で、アルコール度数は15.5%。しかし、どうもそんなにアルコールがないような感じなんだなぁ。一般の人が行くマーケットにて販売されていたもの。
(静岡にある「葵天下」という銘柄に、なんだかそっくりなんだが・・・・。これはいったい・・・・)

 

 

 

 

日本酒ソムリエのサービス付加価値で勝負!

北京では、日本酒は和食店で飲むものという印象(他の地方、他の国もある程度同じだろうが)。当然高級で一般市民にはまだまだ遠い存在だ。スーパーで並ぶ日本酒は、あくまで在中の日本人向けのものだろう。
それでいい。それでいいと思う。
なにしろ北京では、地元で造るビールや白酒が極端に安いし、わざわざ高級な日本酒を家で飲もうという市場ではない。それに、脂っこい北京料理には実のところ白酒がしっくりくる。
しかし、だ。
ワインはじわじわと浸透し始めている。地元産のお手頃なものもあるし、一般家庭で飲む人も増えてきているようだ。それに北京料理にワインは合う。
北京において、日本酒の敵は確実にワインだろう。
ならば、日本酒は和食店、それも、専門知識を持ったサービススタッフがいる店で飲める高級酒という路線で進めるべきだ。実際それで本当の日本酒の味が楽しめるわけだし。
より美味しく楽しく飲めるサービス技術を付加価値として、しっかり高級路線で売ればよいと思う。昔、ワインは皆そうだったのだから。

 

 

北京のワイン事情はこちら。

北京の焼酎事情はこちら。

北京グルメ情報はこちら。

 

 

 

 

 

 

 

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2014年5月28日
友田晶子
ソムリエ/
トータル飲料コンサルタント
(ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルなどお酒と食に関する専門家)

米どころ酒どころ福井県に生まれる。
現在、業界20年以上のキャリアと女性らしい感性を活かし、酒と食に関する一般向けセミナー、イベントの企画・開催、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティングを行っている。
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